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球場の本塁打の出やすさの調整

佐藤輝明選手が3本塁打
5月28日、阪神タイガースの佐藤輝明選手が3本塁打を打ち、本塁打はトップ・タイの13となった。セントラル・リーグでは、新人選手の1試合3本塁打は1958年に読売ジャイアンツの長島茂雄選手が記録して以来63年振りだという。久し振りの大物選手の登場に興奮気味になっている。仕事の上での苦労を紛らわす一服の清涼剤だ。

東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手、読売ジャンアンツの岡本和真選手などと本塁打王を競っているわけだが、広い阪神甲子園球場を本拠地とするため不利な条件下にある。競争条件を揃えて比較する方が適当だと思う。

パーク・ファクターとその修正
野球場の特性により本塁打など各種成績に偏りが出ることが考えられるが、それを示すための指標としてパーク・ファクターがある。たとえば本塁打パーク・ファクター(PF)の定義は以下の通りだ。

   A球場における1試合当たりの
   B球団本塁打と被本塁打の合計
PF=───────────────
   A球場以外における1試合当たり
   のB球団本塁打と被本塁打の合計

2020年の本塁打パーク・ファクターは、読売ジャイアンツの本拠地である東京ドーム1.10、東京ヤクルトスワローズの本拠地である明治神宮野球場1.36、阪神甲子園球場0.91となっている。しかし、このままでは比較は難しい。実際の本塁打数をPFで割るとパーク・ファクター調整済本塁打数になるというような単純な関係ではないためだ。

そこで、以下のパーク・ファクター調整指数(PFA)を提唱する。2021年の公式戦を例にすると、実際にはリーグ内対戦が各25試合、セ・パ交流戦が各3試合開催されることとなっている。それを、リーグ内対戦は自球団を含む同一リーグの球団の本拠地球場で各(25×5+3×3)/6試合開催し、セ・パ交流戦は異なるリーグの球団の本拠地球場のみで各3×3/6試合開催するという組み合わせを想定する。異なるリーグの球団の本拠地球場で試合をしていないものがある場合は基本的に前年の数値を用いる。その上でA球団本塁打や被本塁打を計算し、得た値を以下の計算式に代入する。

     A球団の1試合当たりの
     本塁打と被本塁打の合計
PFA=──────────────
    上記想定下のA球団の1試合当
    たりの本塁打と被本塁打の合計

実際の本塁打数をPFAで割るとパーク・ファクター調整済本塁打数になる。パーク・ファクター調整済本塁打数という概念の普及を願う。

(2021年5月30日執筆、2022年10月30日更新、2024年4月19日掲載)

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